Nikon FM2 1st Roll

昨日のNikomatFTNの現像一本目に続き、同時に上がってきたのがNikon FM2のFUJICOLOR C200である。逆輸入品のフィルムだが、感度が200で使いやすいのと、36枚撮りで値段も500円しないのでコストパフォーマンスが高い。フジ業務用100の36枚撮りとこれは良く使った一年だったと思う。

Nikon FM2については購入に迷っていた頃から購入した際にかけて色々書いていたのでここでは割愛する。実際一本撮り終えるまで使ってみて、改めていいカメラだなあと感じた。むしろ、あの借りた時にここまで感じ入ることはなかったのは、写真を撮るという行為にまだ慣れていなかったからだと思う。仕方ない。今は感じるものがある。これがまたのち10年となると、また感じるところが違うのかもしれない。

露出計の操作はシャッターボタンを半押しするだけでONになるのが楽だし、入り切りを忘れなくていい。ただ、ファインダー内の露出計の表示は、個人的には針式にしてほしかったと思った。FM2は+〇-で表されているのだ。十分といえば十分だし、暗いところで撮る際にも見えるのでいいのだが、なんとなく。昨日今日曇り空の影でOM-1で撮っていたが、露出計の針が見えなくて難儀した。OM-1は広すぎて視野から外れ気味なのも理由かもしれないが。

文明堂さんからお迎えしたFM2は外観も綺麗、ファインダーも綺麗、おそらく元ユーザに粗野に扱われた形跡は全くない。私がうっかりぶつけたりして傷物にしてしまわないか不安である。今日年末の挨拶に伺った際に改めてお礼申し上げた。使い勝手、上がってきた写真を見ても、いいカメラでした、ありがとうございます、と。そして来年もよろしくお願いいたします。

上がってきた写真を何枚か。レンズは大体Planar T*50mmF1.4、Ai AF 35mmF2D。FM2用にと思って買ったMicro 55mmF2.8SはDfでテストしていることが多い。プラナーは本当に購入当時からよく使っている。一番使用回数多い。

 

露出テストがてら雨上がりの道路を撮ったけど、太陽の反射とアスファルトの質感がすごくよく出ていて、本当に吃驚した。でもなんで吃驚したんだろう。Dfでも同じ画は撮れる…と思うが、単純にそのときの光の加減が好みだったのだろうか。

 

適当にピントあわせて撮った割に、受話器にぴったりだったので気持ちいい。全体的にざらふわっとしているものの、電話機あたりが浮かび上がるように締まっているように見えるので、なんか好き。

 

これは35mmか50mmかどっちか忘れた。よく撮る交差点。色合い結構好きだなあ。C200の色か。

 

Planar、確かf2.8くらいだったか。絡み合い、ふわっ、ぽんぽんぽん、しゅーっとした感じで、好き。色乗りが結構こってりした感じになった。前SR505で椿か何かを撮ったのと似た感じ。確かあれもC200だった。

 

絵馬。受験の合格祈願が多いのだろう。内容は読み取れない程度にふわっと開放気味で撮った。

 

雨の日…尾山神社の神門で雨宿りをしていた。FM2はC200が入っているし、なんとかアンダーにならずに撮れるかなと撮ってみる。結果として満足。個人的に一本目の中で一番気に入ったかなあ。さっきのアスファルトのと悩むけれど。薄暗いので周辺が陰に落ち込んでいるのもいい。いいないいな、また写真撮りたくなってきた。(今日休みで午前午後とそれぞれ少しだけ撮ってきたのに)

次のエントリはSR505でLomo400のかなーと。

Nikomat 1st Roll

NikomatFTNの試し撮りフィルム一本目を現像してもらってきた。12/22のことである。同時にNikon FM2の現像も出したが、それはまた別エントリにて。

 

Nikomatに詰めていたのは富士フィルムの業務用100、24枚撮りである。念のため同じ場所のショットをシャッタースピードと絞りを変えながら一定露出で撮影したりしてテストしたので、ちょっともったいないかなあとは思ったが。

しかしSPのことがあったので高速側(1/250、1/500、1/1000)しかテストしておらず、あとになって低速側も試しておくべきだったと思い至る。仕方ない、次も安めのフィルムでやってみよう。しかしNikomatは金属製っぽい縦走りのシャッターなので私が心配しているようなことは起きにくいのかもしれない。そのあたりがわからないので念のため念のためとつぶやきながらシャッターを切るのであった。結果として、高速側は全く問題なさそうだった。3枚同じ露出の同じ画角の写真が並んでいた。

 

11月くらいから雨も多くなってきて、寒くて、散歩し辛くなってきた。雨は雨の写真があるし、撮るべきなのだろうけれど。

 

 
 
 
 
 
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NikomatFTN on the chair #coregraphy #nikon #nikomat #camera #mycamera #chair #ニコマート #金沢21世紀美術館

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Nikomatは全体的にがっしりしている。その分重い。ブラックボディは拭き掃除をして、さらにピカールでも磨いたのでピッカピカだ。露出計はSR505と同じ電池で動く。露出計の電源が巻き上げレバーを手前に少し動かせば入るのがいい。

露出計の電源については、FM2がシャッターボタン半押し(しばらくすると切れる)、Nikomatがレバー引き(撮影し終わったら大体戻すので切り忘れが少ない)、SPがペンタ横のスイッチを押し上げ(シャッターを切ると自動で戻る)、OM-1が軍艦部のレバーを回す(切り忘れることが多い)、SR505が底の平スイッチを回す(回しにくい、切り忘れる)といった感じで挙げた順番に使いやすい。SR505は決して悪くないカメラだとは思うのだけど、露出計のスイッチは毎回切り忘れるので電池を消耗している気がする。OM-1も割と忘れる。カメラへの信心が足りないのではないか。

UIとして使いやすいのはSPより上のカメラ群である(個人的な見解)。シャッターを切ると自動で切れるのはすごくいい。

で、露出計の精度だが、私の買ったNikomatは…時々滅茶苦茶に暴れん坊である。ぶんぶん上下に振れまくるときがあるので、正直信用していいのか決めかねている。しかし一応現像上がってきたのを見るとそこそこに当たっている。というより私が明らかに外したな…というの以外は問題なさそう。カメラ屋さんである程度補正してくださっているのかもしれない。

NikomatでFM2を撮る。カメラはどれも被写体としての適性が高い。私にとってはとても魅力的なものに映る。セクシー!事物に性的な分類表現を用いることは、拒絶する方もおられるだろうが、他人への思慮の持ち備えていない私にとっては、自分にとっての表現の指標のひとつでしかなく、それが他人にとっても同等に感ぜられるに相当とは思ってはいない。FM2は私にとっては女性的な魅力を備えたカメラに映っているし、Nikomatは男性的な魅力に満ちたカメラと思っているが、それは私内部の情動に過ぎず、他人がどう感じようが私の快楽に直結する感覚には何ら関係はない。ただ同じようなスタンスで個個の感じ方を語ってくれるならそれは面白いし、たくさん見聞きしたいものだと思う。他人がどのようなものに関心を持ち、どんな感覚的快楽を得ているのか? 知りたいと思う。ああカメラが好きだ、なんてかわいいんだろう、なんてかっこいいんだろう。こういう話ができる知り合いが周りにはいない。そりゃいなかろう、ドン引きである。酔っ払って何か口走らないか心配である。

脱線した。

イルミネーションを、SS1/15くらいで手持ちでぷるぷるしながら撮った。ピントを合わせなかったら玉ボケがきらきらと写っていた。夜景は苦手だがフィルムで撮ってみようという心持ちになったことに驚く。

 

自作マグ(というか友人たち4人での合作か)。中でハァイと言っているのは私だ。

他の写真もおいおいInstagramなどにアップしていこう。FM2の現像分と、SR505の二本目(Lomography Color Negative 400)の現像分もあって、あと今年のまとめをメモっておきたい。

期限切れのCENTURIA SUPER 400

先日の12/15にKonica C35の現像を出してきた。当日夕方に上がってきた写真を見る。店頭で、やっぱり期限切れなのでそういう写真になっているよーと店員さんにも言われたが、納得。激しい色被りやドアンダーみたいな仕上がりで、それもまた期限切れフィルムの風合いといえばそうなのだろうが、いつものすっきりとしたC35の画とは別ものである。元々いいかなと思うものと、ちょっと違うなあというのを峻別してアップしているのに加えてこの状態なので、残ったのは10枚にも満たないものだった。でもまあいいか。

KONICA MINOLTA CENTURIA SUPER 400だったので、KONICAのカメラに、とC35に詰めたのだ。

本当にいつの期限だったかわからないようなものが、引っ越しのダンボール箱から出てきたので詰めてみたのだった。一緒に入っていた、未開封の箱たちは大体10年以上過ぎていたので、多分同時期と見るのが正しからう。

OLYMPUS-ACEに詰めたフジのSUPERIAはむしろその期限切れの風合いが適度で、果たして動くのかどうかというレベルの認識だったACEが、まだまだ現役なんだと思わせてくれたフィルムだった。しばらく使えていないので、そろそろ業務用でも詰めて撮りたい。ブライトフレーム内の二重像(の片方?)が殆ど見えなくなっているので、目測で撮らないといけないのがきついが。

 

多少Lightroomで色合いは触ってみた。普段フィルム写真はノーレタッチでアップしているのだが、かといって自分の楽しみをあまりにつよく縛り付けて微妙な気持ちでアップするのも馬鹿らしいので、ほどほどに今回は触ることにした。現像段階・スキャニング機器のセッティング諸々でもともと変わっているようなものだし。

 

かなり画像が荒れていたのはモノクロにするだけで十分な気がした。フィルム購入した時期は、先日の記事にあったFM2を借りた時期だったと思う。

 

小矢部の石動あたりを散歩していたときの石段。登ったところは廃墟で、お堂があったのだけど、そこで撮った写真は荒れた風合いと相まって正直怖い写真になってしまったので、アップしないでおく。あまり見返したくない。

 

朝の光。じっと見ていると徐々に明るくなってきているかのように感じる一枚になった。目が慣れて暗い部分が見えるようになってきているだけか。

 

カメラ屋さんにPEN EEのモルト張替えをお願いしたときの写真。撮っていいですかと聞いたら快諾していただいたので撮ったのだが、このフィルムだったのを忘れていて残念なことになってしまった。人を撮る貴重な機会だったので、持っていたDfで撮るべきだった。前に書いた通り、このPEN EEはここのお店に後日引き取っていただきました。感謝。掲載許可もいただき感謝。今度リベンジで撮らせてください。

 

信号待ちの写真はなんか好き。特にスクランブル交差点。

 

最後。補正なしで一番綺麗に撮れていた一枚。周辺光量落ちもイメージ通り。ちぎれ飛んだ花が雨混じりのアスファルトに横たわっていた。

以上8枚。今度は何詰めよう。PEN Sはまた期限切れのACROSS 100を詰めているが、果たして…。

最後にNikomat FTN

FM2購入からまもなく、たまたま見かけたNikomatFTN(ニコマート)ブラックボディを買ってしまった。動作確認済み、ただしモルトはボロボロ、ファインダー内ゴミあり、レンズも塵混入やカビっぽいものが見える。しかし値段は手頃であった。もう今年の買い物はFM2(と55mm)で終わり!と思っていたのに、この角が微妙に剥げて真鍮が覗く綺麗な個体、今買わずしていつ買う…?と勢いで買ってしまった。1万近かったらスルーしていただろうが、金欠とは言え、機会価値(このめぐり合わせそのもののプライス)の方がお買い得と判断したのだった。数千円で購入できた。レンズはNIKKOR-H Auto 50mmF2。H-Cではない。やや前玉フレームに当たりがあるように見えるが使用には問題ないか。

ペンタ部やそれぞれの角がこんな感じに剥げている。漆黒から現れる光のように輝いて見える。巻き上げレバーがちょっとコニカC35っぽい印象をもった。これも可愛い。

Nikomatを初めて知ったときは、ロゴがなんだか妙に丸文字っぽく見えて、かわいらしさを推し出したカメラなのかなと思っていた。目が悪いのもあって、本体そのものもなんだか丸みを帯びたものと思い込んでいた。基本的に私は思い込みで視野狭窄気味なところがあるので反省したい。世の中には、魅力的なものが、いっぱい息づいているのだ。

しかしカメラ屋さんに出入りするようになって、実際に触らせてもらったりしてみるとむしろ機体の印象は180度変わる。がっしりした、引き締まったボディ、重み、シャッターもまたいい。そこから欲しくなって、先日のFM2を購入した日の店員さんとの会話にもつながっていくのだ。で、本当はやっぱり地元のお世話になっているカメラ屋さんで買うつもりでいたので、そこは迷ったのだ。結局機会をとったのだけど。買うときにも心の中でごめんなさい!と謝った。とはいえ今後もガンガン利用させていただくつもりだが。

手持ちのフィルムカメラのフィルムカウンターは四角い窓が多いのだが、Nikomatのフィルムカウンターは丸い窓になっている。これが可愛くて、個人的に「潜水艦」と呼んでいる。なんとなく。私の手元にあるカメラでは他にないデザインなので気に入っている。あとはフィルムカウンターで特殊なのだとPENとかか。時計みたいで可愛いあれも。

ロゴの話に戻るが、D200に刻印されているモダンなのもいいし、Dfの復刻されたシンプルなのもいいし、いまとなってはこのNikomatという丸文字もなんだかいいなあと感じてきている。あとOM-1のOLYMPUSもいい、すごくいい、好きだ(ただし私のOM-1はOが半分剥げているのが残念)。minoltaは小文字のが私は好みだ。PENTAXの細く彫り込まれたロゴマークも素敵だ。なんかもうどれもいい、好きだ。

カメラその佇まいを見るに、Dfの正妻感はその使用用途から立ち位置として存在感あり、OM-1は可愛らしい後輩(美少女)であり、FM2は美しい先輩(美しい)であり、Nikomatは細くないマッチョ(マーカス)である。挙げていないカメラも含めてどれも好きだ。シャッター音は声質か?最高か? そんなことを考えてばかりなので写真が上手くならないのかもしれない。まあ楽しいのでいい。ただ他人と中々こういう話をし合えない。直接お酒でも傾けながら話したい。そういう相手が欲しい。

モルトを張り替えたのだが、ファインダー内のごみはどうにも掃除できなかった。かなり汚い。ばらさないとだめだろう。モルトはいつものフェルトを貼りこんだが、ちょっと幅が広かったか、詰めるときに接着面がねじれてしまったか…フタは閉まっているが、開けるときに爪で引き開けないといけなくなってしまった。

テストフィルムは業務用100の24枚撮りにした。シャッタースピード各速度のテストもしておいた方がいいのだろうなと思う。ドラム式じゃないから大丈夫か?そのあたりがわからないが、SPのメンテナンスが結局できておらず、1/250以下で使うようにしている。

FM2と並行してのテスト撮影になるが、FM2はなんとなく安心感がある。お店を信頼しているのもあるし、カメラも大丈夫と言ってくれている気がする。年内に撮りきれるだろうか。今のペースだと天気が悪くてなかなか難しいかもしれない。

ああまた長々と書いた。本当にこれで今年の買い物は最後だ、そのはずだ。次に大物を変えるのは雪解けを過ぎた頃だろう、多分。稼ぎの少ない仕事だから基本我慢の姿勢を保て私。ともあれこれで年内のまとめ日記を書こうと思えば書けるようにはなった。C35の現像も上がってきたし。

そしてNikon New FM2へ

「フィルムカメラというのを一度触ってはみたいんですよ」といったことを、社会人になって最初の会社にいた頃、お客さんとの雑談で話した。単身県外へやってきた私が始めた、数少ない趣味であるところの写真やカメラの話題に付き合ってくださる方との会話だ。話の流れで、じゃあ私のカメラを少し貸してあげましょう、と言われた。聞いてみるとNikon New FM2だという。そのとき、私はカメラの知識は殆どなく、確かD200を買ってそう経っていなかった。PモードやSモードでシャッターを切ってはなんか撮れたとか撮れなかったとか言っていた頃である。

今思うとあのお客さんもよくぞ私なんかに高いカメラを預けたものだ。まだ扱いもおっかなびっくりな新人に。

デジタルでもカメラの設定やらよくわからず振り回されていたくらいなので、結局フィルムの魅力に十分に気づかないまま、「いい体験をしました」という想い程度(あのときは楽しかったし、嬉しかった。しかし今の私がFM2を借りたとしたら、反応はもっと激しいものだったろう)で返却してしまった。フィルムも多分3本程度ですぐに返したと思う。丁寧に扱っていらっしゃったし、とても綺麗なものだったので、傷つけたり壊したりしたら怖い、という気持ちがかなり大きかったのは覚えている。しかしその造形の美しさやシャッターフィールの心地よさはどうしても心に残った。ずっと残っていた。

それからD200と長い付き合いがあって、段々身の回りに新鮮さを見失い、写真を撮ることも減ってしまった。実家に帰って犬を撮るくらいだった。今年の夏ごろ、とあるお客さんのものを撮影する機会があってD200を使った。購入してからもう12年は経つというのに、故障もせずに元気に動いてはいる。しかし使っていると、一度は予算もなくあきらめたフルサイズデジタル一眼レフへの憧れがむくむくと膨らんできてしまった。そこからは悩んだりもしつつ、月賦でDfを購入。完全に写欲が再燃した。

Df自体が、発売当時からなんちゅうかっこええカメラなんや…とほれぼれと見ていたが、値段も相応であったので完全にあきらめていた。しかし発売から5年たって、展示品がなんとか手の届くくらいの金額で販売されているのをみたとき、それは単にDfの偵察であったのだが、もうその場で買ってしまうことにしたのだった。DfはニッコールのMFレンズなどを使用するのにも向いている、というのも気になる点だった。比較的お手頃な価格で、いろんな単焦点レンズなどを楽しめる機体だ、と楽しみになった。

そして何度か出入りはしていた(が、結局買い物はほとんどしていなかった)カメラ屋さんに再び出入りし始める。ネットで見て気になったKonica C35 Flashmaticがどうしても欲しくて相談したのだ。店員のお兄さんや社長は親切丁寧にアドバイスしてくださり、県外からも探してきてくださった。それを購入したことがきっかけとなり、あれよあれよといううちに次々にフィルムカメラに手を出してしまった。

減っていく地元のカメラ屋さんたちに無くなってほしくないという気持ちがある。私のような金のない人間がどんな支えになろうか、という気持ちもなくはないが。現在自由にできるお金のほぼすべてがカメラ関係につぎ込まれているのはちょっとセーブしたいところ。

PENTAXやOLYMPUSなどそれぞれのメーカーのいろんなカメラの感触を手にして喜び、楽しんでいる。しかしNikonのフィルムカメラはやはり、あの最初に触ったFM2が欲しいと思った。お店にもそれを相談していた。店頭に1台ある、シルバーのFM2がどうしても欲しい。予算的に春くらいまで我慢するつもりだった。

しかしこれまた気になったNikomatFTNも欲しくなり、それを買おうかと相談したところ、FM2がどうしても欲しくて買うつもりなら、いっそそちらを買う方が予算的に賢いのではとアドバイスをいただく。確かに。悩みに悩んだ結果、FM2を購入することにした。2時間か3時間くらい居た気がする。

そのときにOLYMPUS PEN EEを下取りに出した。試し撮りなどして、ハーフカメラであるPEN Sやオートで撮れるC35との兼ね合いなどもあって、悩んだ結果持ってきたのだった。次のお客さんのもとに送った方がいいと判断。先日モルト交換もしてもらったばかりなのだが。

かくして、FM2がやってきた。機械式シャッターのフルマニュアル一眼レフ。なんでも写真学校の定番教材だったとか。十数年前とはまた違う心持ちでシャッターを切ることができる。これからも楽しみだ。Dfとレンズの共用ができるのもうれしい。写真はレンズを買ってこなかったので、とりあえず35mmを付けているところ。AFレンズだとちょっと微妙な感じ。シルバーリングのオートニッコールあたりを付けたい。

Twitterでアドバイスいただいたのと、先日ちょうどカメラ屋さんで試しにDfにつけて撮らせてもらった「Ai Micro-Nikkor 55mm F2.8S」がピンと来てしまい、翌日仕事が終わってすぐにカメラ屋へダッシュ。閉店ギリギリに購入して帰ったのだった。

さすがに年内はもうこれが最後の買い物だ、と思った。このときは。

慾求

12月にして20度を超えるような生温かい日がぽっとあったのち、思い出したように冷え込んできた。その落差があまりに激しい体感温度。今年はカメラ熱もあって秋~冬にかけて、休みの日は2~3時間ソロフォトウォークを繰り返す休日であったが、やはり冬は厳しいか。寒すぎて心が折れそうになる。しかし写真は撮りたい…。OM-1やらSR505やら…色々泣くではないか。

ああ写真撮りたい撮りたい、カメラ欲しい、レンズが欲しい。慾だ、慾の塊だ。今年のこの物欲はなんだろう。今までゲーム類で発散していたのが急に詰まってしまったのが、Dfを買ったことで一気に噴出しているように思える。しかし具体的な撮りたい写真のイメージがあるわけではなく、私は「カメラが使いたい」という欲求が強いようである。私がどこか「撮りたい写真のイメージを持っていたい」、という気持ちを持っているのと裏腹に、それを見つけることが出来ずにどんどん機材に触っていたい欲求が、僅かながらでもあったはずの創作するかけらのようなものまで津波のように押し寄せては引いて、持って行ってしまう。かけら…なにか積み上げようとした記憶だけがあって、それがどんなだったかは思い出せない。私は何が撮りたかったんだろう。