minolta SR-1は可愛い

これはminoltaのMFフィルムカメラである、SR-1というカメラです。SR-1はいくつかバージョンがあるらしく、私がこれだ、と思ったのは第3期版のようです。どこが気に入ったのか、誰に伝えるでもないのですが書いておきたいと思います。

まずもって、その形状です。シルエット。ペンタプリズムのとがり具合と、それが包含するマイルドな曲線、そのバランスがとても美しいと感じます。カメラを持っているときにはそれを目にすることは難しいですが、ふとカメラを降ろして差し向ったとき、あるいは硝子や鏡に映ったその姿をみたときには、造形に見惚れること請け合いです。ちなみに私が所持しているminoltaのカメラで、ほぼ同等に良いバランスを保っているのがSR-7です。SR505はこの形状がかなり違います。

形状つながりで、ボディ側面の滑らかな曲線が非常に艶めかしく、手を添えた時に悦びすら伝わってきます。SR-7よりなお楕円に近く、人体のくびれた腰に手を添えるかの如く感じ得ます。

次にキュートなポイントを挙げておきたい、それはSR-1のロゴタイプです。そのカラーがこの3rd版では緑色で、そこが私の心をとらえて離さない。道行く人のあるワンポイントが強烈に印象に残ることがありませんか。私はそれをこのSR-1の緑色とそのロゴタイプの美しさに感じたのでした。SR-7のロゴも好きです。ただしあちらは(シルバーボディでは)黒色で、キュートというよりはスタイリッシュな印象を受けます。SR505やSR101は、現物を見た印象としてはブラックボディですと私の好みに映ります。

大きなポイントは先述の通りですが、その他はフィルムカウンターが丸窓であること。これは好きなカメラのひとつであるNikonのNikomatFTNが同様の丸窓カウンターで、潜水艦のようだと感じてなお可愛らしさに心ときめかせたものです。SR-1も同様にかいらしい。これがのちのデザインだと小さな角形になっていったのが、個人的には残念です。省スペースの目的を達するため仕方なかったのだろうとは思います。

あとSR-1のこの時期の型はMINOLTA CAMERA CO., LTD.ではなく、CHIYODA KOGAKUなのも良いです。あと巻き上げレバーのエッジの効いたデザインも中々見た目はいいです。使うときは指が痛いですが。

シャッタースピードが1/1000まであるSR-7と違い、1/500が最速なのが少し残念かもしれませんが、高感度フィルムを使わなければそんなものかなと。あと私は勘露出があまりよくないので、露出計がない分少し緊張します。サニーデイ16(晴れた日なら、絞りはf16でSSは入れているフィルムの感度分の1で大体適正)だったかの法則に従って、大体でやるようにしています。SR-7は露出計がついていますので、少し安心できます。ただSR-7やSR505の露出計スイッチが底ので入り切りしづらいのはつらいところです(切り忘れる)。露出計がないのはそのあたりの悩みを端から埒外へ追いやることができるのはいいことなのかもしれません。

ロッコールレンズにはニッコールレンズやズイコーレンズと同様に愛着を持っております。まだ所持しているものが多くはないので、欲しい焦点距離などもありますが、じっくり楽しんで行きたいところです。最後に何枚か、SR-1で撮った写真を貼り付けておきます。

SR-7で紫陽花など

 

minoltaのマニュアル一眼レフカメラSR-7で紫陽花を撮りに行った。その日のうちに現像も上がってきた。ちょいちょいTwitterなどには上げているが、まとめて記録。フィルムはフジフィルムのC200を使用。レンズはいずれもAUTO ROKKOR 55mm F1.8で、無補正でお店にスキャンしてもらった。

minoltaのカメラはSR505を持っていたが、SR505に比べるとSR-7はボディが少し丸みを帯びていて、手にやさしくなじむ。

 

この紫陽花はチェキでも撮った。色合いと、ばあっと花火みたいに咲いているのが綺麗だ。少し薄暗くなっている場所だったが、ふんわりと光の当たっている部分と、陰の潰れていない部分もいい感じ。

 

これは開放付近で撮ったらピントが合っていなかった。下の葉のところに合ってしまっている。

 

撮影場所は卯辰山の花菖蒲園だったので、菖蒲もみられてちょうどいい時期だった。

 

尾山神社付近。

 

 

花びらが若干白飛びしているが、葉の色濃い緑が出て良い。

 

金澤神社付近へも足を延ばす。紫陽花を主題にするならもう少し視点を下げた方がよかったかも。構図をちゃんと考えられていない…。

 

重さの所為なのか、地面にくったりと。たれぱんだを思い出した。

 

カメラ五台

先日Nikon F-401QDを譲っていただいた話を書きましたが、その一週間ほどのちに、また別の方から「薄明さんに引き取って欲しい」と長いこと仕舞いこんでいたというカメラを譲っていただきました。最初1台だけと思って、それも恐縮しつつも嬉しく、喜んで受け取りに行ったのですけれど、受け取った紙袋の重さに驚いて中身を拝見したところ、5台も入っていたのでした。しかしどれもいわゆるレンズ交換式一眼レフというわけではなく、それぞれタイプの異なるカメラでありました。最初聞いていたカメラは比較的状態もよく、レンズもかびていないようでしたが、その他はそれなりに時間の経過を思わせる状態であったのでした。(以下の写真は清掃済みのものです)

まず一台めが、その聞いていたものです。CanonのAE-1というレンズ交換式の一眼レフです。プログラムオートの機能も備えた、電子式シャッターのものです。1976年4月発売のカメラです。電子制御式ですので、電池がないとシャッターを切ることができません。電池の場所が最初わからず、交換に手間取りましたが、外付けグリップのような蓋を外すと、その下に電池室がありました。今までつかってきたカメラの中で、初めての配置です。モルトはご多分に漏れず激しく劣化していましたので、全体のホコリや汚れ除去ののち、モルトも無水アルコールで除去しました。張替えの作業まで行っていないので試写もまだですが、MFのCanonのカメラは初めてなので、FDレンズも初めて、それもまた楽しみです。

二台めは、ミノルタのハイマチック(minolta HI-MATIC)初代です。下さった方も定年をもう迎えていらっしゃる方ですが、その親御さまが使われていたらしい(ご本人は使っていなかった様子)ものです。1962年生まれ。初めて宇宙に行ったカメラとして有名だそうです。向かって左上のぷにぷにしていそうな硝子窓を思わせるセレン受光素子を使ったプログラムEEのカメラです。一応SS1/30で絞り変更はできるのですが、巻き上げてからでないと絞りを変更できないので、無理やりそこを回して故障している個体が多いんだとか。これが一番外観と中身ともに汚れやモルトの劣化が激しく、少々難儀しましたが、磨きおわりましたら中々の美形です。モルトを貼ったら、ちゃんと動くかどうか試写してみたいところです。

三台目はOLYMPUS L-1です。正面からだとL-1とわかりませんが、向かって右側側面に大きくロゴが入っています。非レンズ交換式の一眼レフ(一時期ネオ一眼という呼び名もあったように思います)です。焦点距離は35-135mmで、f4.5-5.6ですので明るいレンズというわけではないのでしょうけど、レンズの素材というか性能はいいものらしいです。電池はEOS Kissと同じCR123Aを二つ。これはモルトの劣化もなく、グリップ等のゴムっぽい素材が白っぽくなりかけてはいますが、すぐにでも使えそうな感じです。ハンディカムのような感じです。大きい。

四台目は驚いたことにOLYMPUS XA2でした。てっきりストロボかなにかと思って、帰ってから確認しましたらXA2が出てきてびっくりです。私が持っているのはXAですが、これはその後継機で、絞り優先オートができなくなり、二重像でピントを合わせるのではなく目測距離のゾーンフォーカス式になったものです。持っているカメラでタイプが似ているのはピッカリコニカでしょうか。電池はLR44を2個で動くようです。

OLYMPUS XA2についてはこちらのサイト(モノクロフィルム写真館)この記事が好きです。読ませてくれます。

最後の5台目がまた開けて驚いたことに、110(ワンテン)フィルムを使うカメラでした。Kodak TELE-INSTAMATIC 608というものです。説明書がなく、Web上の情報を漁ってなんとなく使い方を理解しました。いつもお邪魔しているカメラ屋さんでも110カメラを取り扱っていて、Canonのものが置いてあったのを少し触ったことはあったのですが、所有したのは初めてです。それにCanonのはもっといろいろレバーやボタンがあったのですが、こちらは非常にシンプルなつくりです。シャッタースピードは1/125固定、f11固定、というような感じなのかもしれません。買ってきたLomographyのフィルムは200なので、EV=13くらいで適正露出と考えればいいのかもしれません。つまり明るめの曇りの日(13)から、快晴(15)とまではいかないけど晴れ(14)、という具合か。室内では難しそうです。現像代がいくらくらいか聞いておくべきでした。東京に送るとは聞きましたが。

どれも清掃は終わり、あとはモルトを貼る、電池をいれるなどの待機状態。はやく試し撮りがしたい。

SR505 and Lomography CN400

今年最後に上がってきたフィルムの現像は、minolta SR505に入れていたLomography Color Negative 400(36枚撮り)だった。フィルムはまだ撮り慣れていないので、つい安めのフィルムを選びがちなのだが、カメラ屋さんにお勧めされて買ってみたのがLomo400だった。フジ業務用400が市場から姿を消してしまった以上、X-TRA 400の価格を見れば、実際のところLomo400とそう変わらない。なら、と試してみたのだった。

Lomographyのイメージはというと、LC-Aなんかで撮った周辺光量が落ちてて色乗りが濃くて、ぼわ~っとトイカメっぽさを感じる、何と言えばいいかわからないが、先行的なイメージとは言え、それはやはりロモっぽさを感じるものだった。しかし他の人の写真を見ているうちに、ちょくちょくLomo400の写真も目に入り、意外と普通なものも見かける。それは他社のカメラ(それこそNikonとかOLYMPUSとか)で撮ったものだ。レンズが違うとまた画の印象がブレンドされて別物だった。

今のところ、フジ業務用100の色の感じが結構好きではあるのだけど、感度400はあまり使ったことがなく、Lomoも私の写真の常用に耐えうるならば(お財布的な意味でも)ありがたいし面白そうだ。フィルム写真はレンズとフィルムでそれぞれ画がどんどん違って見えて、際限がない。

いくつものカメラを並行して使っているため、36枚撮りきるまで結構かかってしまったが、平成30年中に撮り終えることができた。SR505に詰めたのは、富士のフィルムで撮ったのをみたときに、なんというかあまりやんちゃしない印象を受けたからだ。大人しい。まだminoltaのレンズをあまり持っていない所為だろうが、そんな風に思っている。今のところは。

撮った写真から察するに、フィルムを詰めたのは先月末、胃腸炎で寝込む直前だ。さて撮った写真から何枚か挙げつつ感想を書いていく。写真をクリックすると、も少し大きくみられると思う。縮小がかかっているのはちょっと色味が変わって見えている。

 

OM-1と一緒に持ち出して、ひとりぶらぶらにし茶屋街まわりを歩いていた。思ったより歩いていると暑くて冷たいドリンクを頼んだのだが、これはこれで冷えてしまったのだった。今度は温かい飲み物を頼もう。

 

SR505の操作感は、一本目撮り終えたときと変わらない。OM-1を使った後だと中々にガシャーンと大きな衝撃を受けはするが、それもまたよし。露出計も安定しているように思える。

 

この写真はまだLomoっぽい~と感じた。そうでもないか? でも色の感じと光量の落ち方がそれっぽいなあと思ったのだ。実は一本目でも似たような感じだったりしたのかもしれない。別に分析をしているわけではないので、受けた印象で楽しんでおればよいのだ。

 

確か絞り開放でとってみたやつだった。風が少し吹いた。今はもうすっかり冬だ。当時でも12月に入ったかくらいだが。今日の夜から一気に冷え込んでくるらしい。雪も降るとか。昨年の豪雪を思い出してぞっとする。明日が仕事納めなのに…。そもそも正月動けるのだろうか。

 

この写真、もっと引いて撮ればよかったか。いや主題は窓の向こうの実?なのだ。引いたら主題が見えにくくなる。しかしこれだと窓枠…フレーム周りが強引に切り取られたように感じる。縦にすべきだったか?悔しい。もうちょっと絞りも開いてよかったように思う。群青色のペンキと、孤独感を感じる植物が妙に良く感じて撮ったんだった。力量不足。

 

空を広く、夕暮れどきが近くなっていた頃、多分四時前とかそんなだろうか。クレーンとか重機は写真に撮るといい。空も雲も好きだし、組み合わせとして好きだ。しかしこの時露出計が良く見えなくて、えーいもういいやとシャッターを切った覚えがある。

 

と、これらの写真を撮ったのはこのminolta SR505である。かしこまっているように見える。真面目な印象を受ける子だと思う。今後の付き合いでどんなふうに見え方が変わってくるんだろう。

OM-1のフィルム2本目はフジ業100

OLYMPUS OM-1の現像があがってきたのが11/26。胃腸炎からようやく回復しつつある頃だったか。上がった写真を見ていても、危なげなく安定して撮れている。露出も大体イメージ通りと言っていいので、露出計は狂っていないと思われる。

犀川沿いを散歩していたとき、OM-1とPEN Sを使っていて、PEN Sの記念撮影をした。たまたま自転車が通りかかって、私がカメラを撮っているのを不思議に思われたのか、こちらを見ながら過ぎていった。ちょっと背景との差がなくてわかりづらい写真になってしまったかもしれない。

それより少し前、金沢城あたりを撮っていた時だ。SR505の一本目を撮っていたのだが、フィルム一本撮り終えてカバンの中のOM-1と選手交代。天気も良くて芝生が気持ちいい。SR505を横たえて記念撮影。

 

秋から冬に変わっていく空を感じる。しかし今のところ寒くなったり急に暑くなったりと、とても正常な冬とは言えない気候に思える。

 

G.ZUIKO AUTO-W 35mm F2.8を購入してすぐの試し撮りで適当に撮った1枚。多分5.6とか8くらいだったと思うが、アスファルトやブロックの質感がざらりとリアル以上のものを感じ、やはり気に入った。まだOM-1で35mmはほとんど使えていないので、これから楽しんで行きたい。

これはG.ZUIKO AUTO-S 50mm F1.4、写真散歩していたときに神社の柵格子に落ちる紅葉の影がまた紅く、思わず撮った。しかし自分の写真にしては珍しく、一応モチーフを考えて撮った1枚だった。だから印象に残っている。だからといっていいねがより沢山つくわけではないのだが。右の空間が冗長だったか。

多分一人の方が集中して撮れるのだろう、とは思うが、誰かとフォトウォークとやらをしてみたい気持ちも捨てきれぬ。かといって知らない人とコミュニケーションとるのは得意ではないし、ないものねだりで終わる。カメラの声をもっと慎重に聴くべきか。被写体もか。

 

試し撮りは果て無い


minolta SR505 + MC ROKKOR 50mmF1.7, Fujifilm C200

試し撮りから。フィルムの種類と、カメラ本体と、レンズという最低でも三要素から写真の癖みたいなものが産まれているのだろうか。だとしたらたった一本のフィルム(今回は富士フィルムC200)ではまだわからないことだらけだ。レンズを変えればまたかわる。フィルムを変えればまたかわる。試し撮りが終わらない。が、お財布事情からそんなにぽんぽんフィルムを買って、現像に出して、というわけにもいかない。先立つものが欲しい。

日陰の立ち入れない、落ち葉の黄色に混じる赤…フェンスの青緑がなければ撮らなかったかもしれない。何のメッセージ性もない、ただ気が向いた瞬間の写真だが、なんとなく気に入っている。

 


minolta SR505 + MC W.ROKKOR 28mmF3.5, Fujifilm C200

秋桜の光が透ける姿が好きだ。「SR505の」といえばいいのか、「ミノルタの」といえばいいのか、「ROKKORレンズの」といえばいいのか… ともあれ、上がってきた写りに好感を持った。他の写真もである。

それぞれのカメラを触っているとき、カメラから受け取る印象や心持ちはそれぞれ違う。優劣はつけがたい。それぞれ違った人と応対している気持ちだ。楽しい。修理技術を持っていないのが悔やまれる。いや、それどころか不器用さで破壊しかねない。