中判カメラの一本目現像

初めての中判カメラ、ゼンザブロニカS2のファーストロールを撮りきったのが2/1のことだ。FUJIFILMのPRO400H。一本900円ちょっと。すぐにカメラのスターさんにて現像。しかしCD化しようとしたら、35mmフィルムと違って中判は1コマずつ料金がかかるらしい。一番小さいサイズでも300円くらいだったか。となると12枚撮りでスキャン代が3600円!なるほど高くつく。まずは持って帰ってスキャンする写真を選んでからにした方がいいでしょうとのことだった。家にこのサイズのフィルムをスキャンできる装置はない。

一部はプリントするつもりであったので、翌日元々顔を出す予定だった文明堂さんにて3枚プリントする。ネガを見ると、まだ水平がとれていないのがよくわかる。一眼レフなどではもう少しましなのだが。それでもDfでスナップしていると、大抵どちらかにかたがったいる。右上がりが多かったかもしれない。

先の日記に書きそこねてアップしたのだが、私がブロニカ購入に至った理由のもっとも強いもののいくつかが、以下2人である。

アレモコレモさんは私がNikonS2に強く惹かれる要因にもなった方で、モノクロ写真を多く撮られている。写真も好きだが文章も好き、そしてカメラや物欲への向き合い方も好きで、フォローしている。

NRさんのブログはブロニカS2の写真を検索していて見つけたところだったが、見ていって度肝を抜かれた。説明しようがない。すごい。衝撃的に揺らされた。きっと私がブロニカを買ってもこんな写真は撮れない、けれど手にしたい、という強い想いに動かしたのはNRさんの写真であった。

撮りたい、写真を撮りたい。35mmでも、中判でも、デジタルでも撮りたい。私は行為への欲求ばかりが先走るきらいが昔からあって、絵を描く、文章を書くにしても、そうしたいが中身がない、中身が湧いてこないというのが悩みであった。今でもそうだ。激しい行為への欲求。シャッターを切りたい。ファインダーに収めたい。写っているものを見たい。だが何を?多くの人が着実な一歩一歩を進めていくのを、私はいつも横目、後ろから眺めている。何度も嫌になる。皆の眼が、お前はからっぽだ、と言っている。開き直れそうで開き直れない、いつまでも中途半端な子供のまま、私は行為を欲している。

中判カメラ「Zenza Bronica S2」がやってきた

少し日が空いたけれど、その間も写真を撮っていた。仕事、写真、ゲーム、仕事、写真、ゲーム、というサイクルで私の日々は巡る。年末の腰痛はようやく気にならなくなった。腰は大事だ。これから雪が積もると雪すかしもあるので、なおのこと気をつけねばならない。

私が立てた目標の一つ、中判カメラのゼンザブロニカS2を買う、ということについて、年明けいつもお世話になっているカメラ屋さんである写真の文明堂さんに相談に行ったのだった。昨年も欲しいカメラ、欲しいレンズがあったら(なくても)お邪魔しては色々と教えていただいたり、探してきてもらったりしていたのだ。ブロニカS2は店頭分にはなかったので、また仕入れにいくときに探してきてくださるとのことで気長に待つことにしていた。

が、今回の仕入れで思いがけず綺麗なもので私の予算にも合致したものがあったという連絡を受けた。仕事の休憩時間に、別件の電話を掛けたところでそれを聞いたので飛び上がりそうになった。なんてこった。こんなに早く…実感がわかない。

しかしもう喜びで落ち着かない、そわそわしっぱなし。仕事が休みだった1/25に逸る気持ちを抑えながらお店へ向かう。この時考えていたのは交通事故を起こさないことだ。私は大体こういうときに事故に遭ったり怪我をする。今回は無事だった。いつもフレンドリーに話しかけて下さる店員のSさんにまずブロニカを見せてもらう。

私のお願いしていた、ウエストレベルファインダーの、シルバー?といえばいいのだろうか、縁がメタリックなやつだ、あれが欲しいと伝えていた。すごい、私のお願いしていた通りだ。レンズは標準の75mm F2.8。ゼンザノンではなくニッコールである。残念ながらフードは見つからず。これはあわせてお願いするのを忘れていたのだ。

(写真は帰宅してから撮影した。下が真っ白なのはライトボックスだ。そして部屋の照明が昼光色なので色合いがなんだか妙なことになっている。)

一通り操作方法などを聞く。何しろ私は中判カメラを使うのは初めてで、フィルムのセットもやったことがないのだ。フィルムバックの外し方、セット、フィルム送りとシャッターチャージ…チャージのときのガキン、という音、これ大丈夫か?と心配になる。大丈夫なのだ。仕様です。そして引き蓋(フィルムバック取り外し用遮光板)を抜いて、シャッターを切る。ガシャコーン!このインパクトのある音!ウッヒャー!!この日記を書いているのは購入後数日経っているのだが、まだシャッターの余韻が残っている。

フィルムはその感光させる面を意識してセットすると、一応どちら向きにはめるかということはわかるようになっている。間違えないといいけど。

ファインダー、そうウエストレベルファインダーも実際に使うのは初めてだ。実家の二眼レフは結局故障しているようなのでフィルムを通せていない。ブロニカのファインダーロックを外すとバタンガシャコンとメカメカしい覗き窓が組み立てられる。その挙動ひとつで心を揺り動かされるのを感じる。

ちなみにルーペもついており、それはこの状態で少し蓋を閉じるようにそっと動かすと、ルーペがガシャンと起き上がってくる。ルーペをまともに覗いたことがなかったので、ルーペってずいぶん見づらいというかぼやーっとしているんですね、というようなことを言ったら、もっと目を近づけて見るものなんですよと教えてもらった。なるほどそうやってみてみると、細かいピントの追い込みがやりやすい。ううーん、像が、すごい。写真撮る前から、この見えている像の立体感が眩暈を起こしそうなくらゐ、美しい。

昼過ぎ社長にようやくお会いできたので、毎度のことながら骨を折ってくださったことにお礼を申し上げる。フィルムも合わせて購入。フジの160と400を一本ずつ。レリーズも買っておく(Dfでも使えるし)。

Twitterに喜びの報告ツイートをしたら、100人以上の方からいいねを頂けた。100超えるのなんて初めてだ。それだけカメラ、写真を好きな方がたくさんいらっしゃって、さらに他人の喜びを同じように喜んでくれる方たちだってことだ。やさしいせかいだ。でも確かに他の人がカメラやレンズをお迎えしている報告を見ると、こちらも嬉しくなる。

まだちょっとずつしか撮れていないが、実際に使ってみると安定感があるしファインダーのピントも見やすく感じる。安定感があるのはこれそのものが重いからだろう。ストラップ金具がないので、Amazonで注文した。どれを買えばいいかについては、リプライいただいたものを参考にさせていただいた。

今日も少し散歩に出た折、DfやNikomatに加えてブロニカも連れて行った。途中、休憩したときにブロニカでDfを撮影した。1stロールでDfを撮ってあげたかったのだ。うまく撮れているかわからないが…。露出をはかる時、感度を1段間違えていたような気がしてならないのだ。さておき、その撮ったDfとブロニカを交替し、撮影する。距離を測るつもりの左手が、自然とカメラを撫でていた。美人さんだなあ、ブロニカも。私なんかがうまく使ってあげられるかわからないが、よろしくお願いしたい。撮るものに悩みながらの散歩だったが、結局このDfを撮影した一枚で今日は終わった。