するどい光

雨露たくわへNikon Df + AF-S Nikkor 50mm f1.8G

雨に濡れ、するどくなった光と陰が神妙に私に生い茂る。

逆さに映る私はどんどん現実から剥がれ落ちてく今の自分を無表情に見つめてゐる。

表向きを上手くやり過ごすことに躍起になって、自分自身の正しい方にレンズは向いてゐない。

空回りに滑り落ち、目の奥にばかり涙の貯まる夢か。

するどくなった光は暴れまはって夢ばかりに打ち付ける。

するどい光

かの火花

あの実

色づいたあの実、初めて見たのが彼の日。火花みたいだと思つた。花火のやうだとも思つた。誰も砂利を鳴らさない、誰も影を踏まない、静かな石垣の沈んでゆく秋に立つ。夏を見送つたことがそっと耳元に立ち止まり、消えた。花火みたいだと思つた。

かの火花

風の枯れによの

風吹いて

風が吹いてをり、しばらく音を奪ふ。
視線にへばりついた翅蟲の綱を慌ただしく揺らし、コマ送りのやうに消えていく。風がやつてくる。風は老いを運び、私は枯れてゆく。私の喉が掠れた音をたてようとしたが、夜闇のばかりに何も遺しては呉れなかつた。枯れてかうべのうづくまる。

風の枯れによの