しかし、決してゴキブリは繁殖力が強いわけではないらしい。 伝染病で全滅することもあるし、やもりやねずみの餌になったりもする。 じゃあなぜ、あんなに殖えるのか? それは人間が住みやすい環境を整えているから。 餌はゴミや手あかやフケだって食べるから食うには困らない。 台所は暗くて、冷蔵庫などの電気製品は熱を発生させるから暖かいし、 繁殖するにはうってつけの環境だ。 増えるな、って言う方が間違っている。 ここでちょっと考える。ゴキブリが50億匹いる、と聞いたらどうだろう? きっと多くの人は嫌悪を感じるだろう。

人間は地球上に50億匹存在する。

ほ乳類で人間くらいの大きさでそれだけの個体を維持する種は他には存在しないだろう。 人間は基本的に他の動物に食べられることはないから、 当然食物連鎖のピラミッドの頂点に位置する。 随分バランスの悪いピラミッドだ。 そして発情期がないから年中繁殖できる。こう考えると人間はけっこう気味の悪い生き物だ。 それだけ蔓延っている人間と同居する道を選んだゴキブリは、 なかなか賢い、狡猾なやつらだと思う。 伊達に3億年間も滅びずに種を存続してきたわけじゃないってことか?

ゴキブリが嫌いってことは、近親憎悪のようなものなのかもしれない。