風の枯れによの 2018/10/11 薄明写真・詩作 風が吹いてをり、しばらく音を奪ふ。 視線にへばりついた翅蟲の綱を慌ただしく揺らし、コマ送りのやうに消えていく。風がやつてくる。風は老いを運び、私は枯れてゆく。私の喉が掠れた音をたてようとしたが、夜闇のばかりに何も遺しては呉れなかつた。枯れてかうべのうづくまる。 共有:クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます) 関連