2005.11.26

夕暮れどき

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とろとろと、夕暮れは足早に、
けれどどこか、お互ひを惜しむやうに
海と山の向かふへと、残り香が潮風に吹き飛ばぬやう、
溶けるやうな時間をありがたう。

晩秋の色に染まる川面に私は映らないが、 
私の眼には、誰かが映ってゐる。

やがて潮風は激しくなり、私を揺らして
耳を澄ませても
彼らの聲は聞こえなくなる。

帰らう、そして時間は電燈の頃へとうつるのです。