2005.10.6

今夜は殆ど雲もなく、月もひっそりとしてゐる。仕事が終わった私は、駐車場でぼうっと夜空を観ていた。人は、誰も居ない。

私は星をみるのが好きだ。

星について、詳しくはない。星座も殆ど知らない。天文のことを、勉強したこともない。けれど星をみることが好きだ。實家の周りは田んぼばかりだったし、ネオンからは離れた場所で夜空を見上げることが出來た。星空を見るときは、周りが暗ければ暗いほどよい。自分の眼が闇に慣れてゐるほど彼らの微かなまたゝきを捉へることができる。

私の視力は昔に比べると落ちてしまったが、それでも見える星空といふものは變はらない。或いは目で見てゐるといふよりも、感じ取ってゐるやうだと思う。目を凝らす必要はない。眼を夜空に晒す。星は自然と姿をあらはしていく。

私は車にもたれながら、夜空を仰いだ。能登もまた、なんと素晴らしい星空だらうか。激しくまたゝく星もある。まるで固定された光のように、動かないものもいる。ほんの微かな光だが、いくつもが集まってゐるものもある。細かな、微かな、光の粒が数へ切れないほど広がってゐた。とても広いプラネタリウムのやうだった。

ふっと目を閉じる。光を求めやうとしてゐた跡が、瞼に感じられた。今かうしてゐる間にも、星は生まれ、死んでいるといふ。人の作り出す光とはまた違ふ星の光は、私の眼にその息吹を傳へてゐる。

2005.10.6